2007/08/07(火)
七夕の日に納品と面接を』
何となく落ち着かない朝。7時半頃からあれこれ考える。
しかし不思議と動悸はない。やはり質が違うのか。
今日は夜の9時半の面接の前に、5時に納品も控えている。
すべてが夕方以降。なのに朝からもうソワソワしている。
これは僕に何もすることがないことを意味している。
ゴミを出したり洗濯物をたたんだり、
とにかく朝からせわしなく動いた。
11時には彼女を車で駅まで送り、その足で給油。
スタンドの角でワゴンバンが横転していてびっくり。

帰宅してからもろもろの準備を開始。
髪も整え、書類も整え、気持ちばかりが焦る。
面接というのはいつ以来だろう?
おそらく前々職の入社時以来だから、20年ぶりか。
その際に聞かれたことで今思い出せるのは、
「野球で好きな打順を打てるとしたら何番を?」というもの。
おそらく積極性や運動神経を問いたものだと判断し、その時は
「1番です。打席が一番多く巡ってくるからです」なんて答えたっけ。
そんな積極性が43歳の僕に到底あるとは思えないが、
おそらく今晩聞かれても同じ答えをするだろう。
僕は生まれながらにして1番打者なのだ。
そういった意味ではイチローに近いかもしれない。
ただ向こうは大リーガーで、僕は大リーグに挑戦し失敗した
今はロッテに在籍している吉井投手に近い存在。
そんなことを言うときちんと給料を貰っている吉井投手に失礼だな。

いろいろ考えるのはやめにした。無駄なような気がしてきた。
自然体で受け答えしよう。
それにこの業界の面接でそれほど堅苦しい質問はないはずだ。
それよりフィジカルをリラックスさせて、
スムーズに受け答えできるように心がけよう。
ストレッチと顔面マッサージ。そしてシエスタ。

あっという間に4時になり、着替えてまずは納品へ。車で向かう。
一時どしゃぶりになった雨はあがったが、相変わらずの蒸し暑さ。
街中の路上駐車におびえながらも、何とか納品。
納品先は、しっかりとした出版社のように思えた。
そして戻る足で、実家へ。妹とほぼ同時。5時半。
甥は僕がすぐ帰ることを悟ってか、話しかけてこない。
自分で自分の欲望をセーブしているのだ。
フライの夕食をいただいて、8時に自宅に帰宅。
窓を閉め切った部屋の中で、急いでスーツに着替える。
スーツに袖を通したのはいつ以来だろうか。
そして面接会場であるプロダクションの事務所に車で向かった。

9時半の面接時間よりも30分以上早く着いてしまい、途方に暮れる。
もう一度何を答えるかを車の中でイメージトレーニング。
よく考えると、彼女の勤務しているビルの2軒隣りじゃないか。
15分100円のコインパーキングに車を停め、いざ出陣。
雑居ビルの最上階にある事務所はお世辞にも大きいとは言えず、
綺麗だとも言えず、普通の事務所だった。
本来は大きな会議室を借りて土曜日に行なわれていたはずだ。
しかし僕は都合が悪く、後日ということになった。
ノックして事務所に入るとこざっぱりした女性が受付てくれた。
物置のようなスペースで待たされた。
すでに一人面接をしているようだ。若い女性のようだった。
最後に質問は?とやはり聞かれていた。
その女性は、1日の仕事のスケジュールは?という愚問。
想定問答集から引っ張り出してきたような質問だ。
ほどなく剣もホロロに終了。
やはり109で買い物をしそうな若い娘。
そのあとからまたもやこざっぱりとした女性スタッフも登場。
ずいぶんとこざっぱりした人が多い印象。

次は僕の番だ。
案内されて向かった先は6人くらいが会議できるような机。
マニュアル通りに挨拶。
面接に当たってくださるのは、社長と社員2名。
すべて男性。おそらく腹心のような存在なのだろう。
全員40代? お世辞にもハイセンスとは言えないファッション。
「私がお電話した社長の○○です。このような夜分に申し訳ありません」
いえ、先日は私の身勝手な要望をお聞きいただき、
こちらこそ、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。
「簡単にこれまでの経歴をお話しください」
大学卒業後、A社で営業、B社からの誘いで転職、管理職を経験、
C社からの誘いで転職、しかしやはりこの道を進みたく...
「何故ここを志望されたのですか」
将来性、可能性、そして何よりも勢いを感じました。など...

それからは僕本人についてのことばかりを矢継ぎ早に質問され、
柔らかい雰囲気の中、面接は続いた。
話を聞いていると、どうやら僕は特別扱い枠のようだった。
若い20〜30代のスタッフを今回は募集していたのだけれども、
どうしても僕のことが気になって会いたかったということらしい。
43歳の僕は全く違う次元で面接を受けていることになる。
そうなると俄然自分のキャリアに自信が出てきて、
途端に饒舌になり、その結果、好印象をもたらしたようだった。
おまけに僕の作品を社長自らがすでに見ていたこともあり、
最後には待遇面では前々職の半分程度しか出せないが、
それでもいいでしょうか? というような話まで登場し終了。

これはどうなのだろう? 拍子抜けだった。
挨拶を交わし、事務所を出た僕は複雑な気分だった。
成功と言えば成功だ。でも何かが違う。
ただ就職の内定はもらったようなもの、と判断した。
車に乗り込み、一番心配してくれていた妹に電話。
「おそらく大丈夫」「よかったね!」
まだ内定をいただいたわけではないので、
本当に何とも言えないが、90%は確定だろう。
一両日中に連絡をいただけることになっている。
帰宅して彼女にも直に報告。素直に喜んでくれた。

深夜まで「街歩き」やバラエティを見る。
2時半までベッドであれこれ語る。
彼女はどうやら寝付けないようだった。
それが暑さのせいなのか、僕のせいなのかはわからない。
とにもかくにも失業3ヶ月で打ち止めの気配が濃厚だ。
七夕の日に僕はいい会社に巡り会ったのか。












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