2007/08/20(月)
今日は1時から新しく僕が入社する会社での前日最終打合せ。
まだ仕事内容も何をどうするのかわからないままなので
そのへんの擦り合わせと挨拶回りが予想された。
朝、普通に8時半に起床できた。多少の動悸。
11時に彼女が出かける。僕は11時半に出発。
ノーネクタイだったが、念のためスラックスとシャツ。
暑い。30度はある。
地下鉄に乗り、12時に中心街に到着。
何時までオリエンテーションがあるのかさえわからないので、
まずは腹ごしらえと思い、官庁の食堂で海鮮丼を食べる。
この時点ですでにグロッキー。
カバンが重いし、服装も慣れないし、何しろ暑い。
人も大勢いて、とても混雑していてそれだけで疲れる。
すぐ横で食事を摂っている公務員の愚痴を聞きながら、
これが普通の生活なんだろうなぁと人ごとながら考える。
43歳、普通ならもう中学生の子供がいてもおかしくない年齢だ。
それが僕ときたら、子供はいないし、奥さんもいない。
いったいどうしてこういう人生になってしまったのだろうか?
12時20分から45分まで官庁で休憩。消化を待つ。
そして新会社へと歩いて向かう。
5分ほど早く着いたが、総務の女性と入社に際しての書類の提出や
世間話等をしながら、社長の到着を待つ。社長は約30分遅れで登場。
そして唐突に僕がやるべきことなどを一気に伝え始めた。
9月は深夜番組のディレクターで慣れてもらう。
10月からは別番組に異動。研修しながら一人立ちしてもらう。
我が社は現在放送局において重要な位置にあり、
ポジション的にも非常に大切な役割を担うことになる。
すでにスタッフは局内で各階層で高く評価されており、
今回の新スタッフ(僕)の加入は我が社にとって大きな転機となる。
放送局の仕組みは複雑で、熱い綱引きがすでに始まっている。
今回の新スタッフ(僕)は、すでに噂ではその渦中にいる。
云々。
それから放送局の首から下げる種類の入館証を渡された。
そしておもむろに放送局へと向かう。歩いて3分。近い。
建築的にも複雑な構造の局内を同行し、重要人物には挨拶。
最後に僕が明日から働くことになる部屋に到着。
若い女性と歳をとった女性が1人ずついて、彼女らが僕の仲間。
「じゃあ出かけるから、コミュニケーションとっておいて」
そう社長は言い残し、その場を去った。
すでに何をやるかは僕の判断に任されている。
そういう世界なのだ、ここは。
そう心に言い聞かせて積極的に彼女らと親睦を深める。
若い女性は非常に人当たりもよく真面目そうな印象。
ただもう一人はお局様のような様相で、うまく馴染めそうにない。
この時点で僕の欠点がすでに露呈。人の好き嫌いが出てしまった。
ゼロからの出発で、僕はもう以前の僕ではいけないのにも関わらず、
すでに悪癖はまずいと自分でも思い、気を取り直して、
ポジティブに前向きに「いい人」だと思い込むことにした。
しかし部屋はあまりにも暑く、空調が効いていない。
28度設定でも息苦しくて仕方がなかった。
でも僕の苦手なクーラーではないだけ幸福だと思わなければ。
もし苦手なものだったら、その時点で僕は働けない。
何せ猛烈な吐き気と戦わなければならないのだから。
部屋の暑さからか頭がボーッとし始める。
しかしもしかするとこれは、
すでに僕のスタミナが切れてきているのか? 怪しい感じ。
こんな数時間でもう電池切れかい?
昼食の量が少なかったせいもあるかもしれないと思い、
カバンに忍ばせてあったお菓子やジュースを飲むと少しは回復。
そして番組の構成表やスタッフ表などを見せてもらいながら、
事前に自分の作った表と比べてみたりした。
明らかに僕のできる業務ではあったが、あまりにも量が多過ぎた。
スタッフに話を聞くと、やはり帰宅は終電かタクシー。
それもほぼ毎日。そして週末も休みなく働いているらしい。
これでは前の会社と同じ。おまけに給料は3分の2しかない。
あとはやる気の問題か。
でももうここしか僕を認めてくれた会社はないと信じ、
あとは倒れるまでやるしかないという気持ちに切り替えた。
その後、ロケにも同行するような雰囲気を事前に察したので、
どういう機材を使っているのかを入念にチェック。
操作ができるまで習得しておいた。
お局様は主婦モードに戻るため、5時半に帰宅すると言いながら
結局は6時半に帰宅。彼女はパートらしい。
若い女性は、特別な用があるらしく今日は8時頃にあがるという。
これは極めて珍しいことらしい。年に1回の無礼講。
僕も最後まで付き合おうと思ったが、逆に質問し過ぎて
業務の妨げにもなっていたようにも感じていたので、
一足先に7時半に局を出た。
外はまだ暑かった。ただ心地よい疲れが身体に残っていた。
一時はヤバいと思った体力も初日の緊張からだったらしく、
気持ちを大きく持ち、鈍感力を発揮したところ、すぐに回復できた。
まだ正式には働いていないにも関わらず、
すでに6時間半も勤務に近いことをしてしまったが、
働くという喜びは少しでも実感できた。久々の感触だった。
最寄りの駅のスーパーで弁当を買い、まっすぐ帰ろうとも思ったが、
これからしばらくは訪れることもないだろうと思い、
お世話になった実家に立ち寄り、今日の報告がてら、
弁当を食べようと思って、自転車のハンドルを切った。
実家では妹と母と甥が食事中だった。「お疲れ様」と言ってくれた。
「どうだった?」と聞かれたので、またやはり帰りが遅いことなどを
告げると、頑張ろうね、との大合唱。
心地よい疲れの中、弁当を平らげ、これはもうやるしかない、と
決心して、9時に自宅に戻った。
窓を閉め切っていた自宅は蒸し暑く、
すぐさま服を脱いで下着のまま扇風機にあたった。
10時に彼女が帰宅。同じようなことを報告。
すると彼女は「大丈夫?」「続けられる?」と心配そう。
僕は「やるしかない」と答えたものの、実際のところは、
「やれるところまでやるしかない」と思っていた。
倒れるまでやってみよう、倒れたらそこまでだ、
僕にはそれに見合う体力がないのだ、と漠然と考えていた。
彼女の箴言は悪魔の誘惑のようにも感じた。
結局マイナス思考なのだ。やってできないことはない。
そう僕はかたくなに信じ、彼女に背を向けて11時には寝てしまった。
明日に備えるつもりで体力を温存しようと思ったのだ。
これからの長丁場でこの数時間の睡眠はあまり意味はないとも思ったが、
少しでも休める時に休んでおきたかったし、やはり疲れていた。
初日から頭はフル回転で、暑い室内で動き回っていたのだ。
緊張もあるし、あらゆるものが新しい情報として目に飛び込んできたので、
その対応でヘトヘトだったこともある。
ただ数分後、彼女に再度確認するために寝室から居間に戻った。
「どうして、大丈夫?だなんて思った?」
すると「私は前の会社での疲労具合を知っている」
「同じような姿は見たくないし、私もついていけない」という。
「わかった」
僕は絶対に「疲れた」とか「辞める」とは言わない覚悟を決めていた。
しかしこの彼女の一言がきっかけで僕の悪夢は開始された。
まだ仕事内容も何をどうするのかわからないままなので
そのへんの擦り合わせと挨拶回りが予想された。
朝、普通に8時半に起床できた。多少の動悸。
11時に彼女が出かける。僕は11時半に出発。
ノーネクタイだったが、念のためスラックスとシャツ。
暑い。30度はある。
地下鉄に乗り、12時に中心街に到着。
何時までオリエンテーションがあるのかさえわからないので、
まずは腹ごしらえと思い、官庁の食堂で海鮮丼を食べる。
この時点ですでにグロッキー。
カバンが重いし、服装も慣れないし、何しろ暑い。
人も大勢いて、とても混雑していてそれだけで疲れる。
すぐ横で食事を摂っている公務員の愚痴を聞きながら、
これが普通の生活なんだろうなぁと人ごとながら考える。
43歳、普通ならもう中学生の子供がいてもおかしくない年齢だ。
それが僕ときたら、子供はいないし、奥さんもいない。
いったいどうしてこういう人生になってしまったのだろうか?
12時20分から45分まで官庁で休憩。消化を待つ。
そして新会社へと歩いて向かう。
5分ほど早く着いたが、総務の女性と入社に際しての書類の提出や
世間話等をしながら、社長の到着を待つ。社長は約30分遅れで登場。
そして唐突に僕がやるべきことなどを一気に伝え始めた。
9月は深夜番組のディレクターで慣れてもらう。
10月からは別番組に異動。研修しながら一人立ちしてもらう。
我が社は現在放送局において重要な位置にあり、
ポジション的にも非常に大切な役割を担うことになる。
すでにスタッフは局内で各階層で高く評価されており、
今回の新スタッフ(僕)の加入は我が社にとって大きな転機となる。
放送局の仕組みは複雑で、熱い綱引きがすでに始まっている。
今回の新スタッフ(僕)は、すでに噂ではその渦中にいる。
云々。
それから放送局の首から下げる種類の入館証を渡された。
そしておもむろに放送局へと向かう。歩いて3分。近い。
建築的にも複雑な構造の局内を同行し、重要人物には挨拶。
最後に僕が明日から働くことになる部屋に到着。
若い女性と歳をとった女性が1人ずついて、彼女らが僕の仲間。
「じゃあ出かけるから、コミュニケーションとっておいて」
そう社長は言い残し、その場を去った。
すでに何をやるかは僕の判断に任されている。
そういう世界なのだ、ここは。
そう心に言い聞かせて積極的に彼女らと親睦を深める。
若い女性は非常に人当たりもよく真面目そうな印象。
ただもう一人はお局様のような様相で、うまく馴染めそうにない。
この時点で僕の欠点がすでに露呈。人の好き嫌いが出てしまった。
ゼロからの出発で、僕はもう以前の僕ではいけないのにも関わらず、
すでに悪癖はまずいと自分でも思い、気を取り直して、
ポジティブに前向きに「いい人」だと思い込むことにした。
しかし部屋はあまりにも暑く、空調が効いていない。
28度設定でも息苦しくて仕方がなかった。
でも僕の苦手なクーラーではないだけ幸福だと思わなければ。
もし苦手なものだったら、その時点で僕は働けない。
何せ猛烈な吐き気と戦わなければならないのだから。
部屋の暑さからか頭がボーッとし始める。
しかしもしかするとこれは、
すでに僕のスタミナが切れてきているのか? 怪しい感じ。
こんな数時間でもう電池切れかい?
昼食の量が少なかったせいもあるかもしれないと思い、
カバンに忍ばせてあったお菓子やジュースを飲むと少しは回復。
そして番組の構成表やスタッフ表などを見せてもらいながら、
事前に自分の作った表と比べてみたりした。
明らかに僕のできる業務ではあったが、あまりにも量が多過ぎた。
スタッフに話を聞くと、やはり帰宅は終電かタクシー。
それもほぼ毎日。そして週末も休みなく働いているらしい。
これでは前の会社と同じ。おまけに給料は3分の2しかない。
あとはやる気の問題か。
でももうここしか僕を認めてくれた会社はないと信じ、
あとは倒れるまでやるしかないという気持ちに切り替えた。
その後、ロケにも同行するような雰囲気を事前に察したので、
どういう機材を使っているのかを入念にチェック。
操作ができるまで習得しておいた。
お局様は主婦モードに戻るため、5時半に帰宅すると言いながら
結局は6時半に帰宅。彼女はパートらしい。
若い女性は、特別な用があるらしく今日は8時頃にあがるという。
これは極めて珍しいことらしい。年に1回の無礼講。
僕も最後まで付き合おうと思ったが、逆に質問し過ぎて
業務の妨げにもなっていたようにも感じていたので、
一足先に7時半に局を出た。
外はまだ暑かった。ただ心地よい疲れが身体に残っていた。
一時はヤバいと思った体力も初日の緊張からだったらしく、
気持ちを大きく持ち、鈍感力を発揮したところ、すぐに回復できた。
まだ正式には働いていないにも関わらず、
すでに6時間半も勤務に近いことをしてしまったが、
働くという喜びは少しでも実感できた。久々の感触だった。
最寄りの駅のスーパーで弁当を買い、まっすぐ帰ろうとも思ったが、
これからしばらくは訪れることもないだろうと思い、
お世話になった実家に立ち寄り、今日の報告がてら、
弁当を食べようと思って、自転車のハンドルを切った。
実家では妹と母と甥が食事中だった。「お疲れ様」と言ってくれた。
「どうだった?」と聞かれたので、またやはり帰りが遅いことなどを
告げると、頑張ろうね、との大合唱。
心地よい疲れの中、弁当を平らげ、これはもうやるしかない、と
決心して、9時に自宅に戻った。
窓を閉め切っていた自宅は蒸し暑く、
すぐさま服を脱いで下着のまま扇風機にあたった。
10時に彼女が帰宅。同じようなことを報告。
すると彼女は「大丈夫?」「続けられる?」と心配そう。
僕は「やるしかない」と答えたものの、実際のところは、
「やれるところまでやるしかない」と思っていた。
倒れるまでやってみよう、倒れたらそこまでだ、
僕にはそれに見合う体力がないのだ、と漠然と考えていた。
彼女の箴言は悪魔の誘惑のようにも感じた。
結局マイナス思考なのだ。やってできないことはない。
そう僕はかたくなに信じ、彼女に背を向けて11時には寝てしまった。
明日に備えるつもりで体力を温存しようと思ったのだ。
これからの長丁場でこの数時間の睡眠はあまり意味はないとも思ったが、
少しでも休める時に休んでおきたかったし、やはり疲れていた。
初日から頭はフル回転で、暑い室内で動き回っていたのだ。
緊張もあるし、あらゆるものが新しい情報として目に飛び込んできたので、
その対応でヘトヘトだったこともある。
ただ数分後、彼女に再度確認するために寝室から居間に戻った。
「どうして、大丈夫?だなんて思った?」
すると「私は前の会社での疲労具合を知っている」
「同じような姿は見たくないし、私もついていけない」という。
「わかった」
僕は絶対に「疲れた」とか「辞める」とは言わない覚悟を決めていた。
しかしこの彼女の一言がきっかけで僕の悪夢は開始された。
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